睡眠不足は太る
睡眠不足が身体に悪いのは言うまでもないはずなのに、日本人の睡眠不足は深刻な状態なのです。OECDによる平均睡眠時間の調査によると、日本の睡眠時間は主要な30カ国中ワースト1位なのです。日本は世界的に睡眠時間が短い国ということです。日本人の約4割が睡眠不足であり、健康的に睡眠できているのは3人に1人しかいないのです。60歳以上では3人に1人が睡眠の問題を抱えていて、14人に1人が睡眠薬を服用しているのが現状なのです。
•睡眠不足・・・睡眠時間6時間以下。本人は寝たいと思っているが、睡眠時間を確保できない。
•睡眠障害・・・眠りたいけど眠れない状態。日中の眠気や仕事のパフォーマンスの低下。
•睡眠負債・・・睡眠不足が続くことにより、認知機能の低下や健康へのマイナス効果が蓄積された状態
目次
睡眠不足は食欲が暴走する
色々なダイエットを試しているのになかなか成果がでない人は、睡眠が原因の可能性もあります。睡眠5時間以下の人は、睡眠6〜7時間の人に比べて、年間のBMIの上昇率が約4倍。つまり、4倍太りやすいのです。
睡眠不足になると、食欲を増進させるホルモンのグレリンが増え、食欲を抑えるホルモンのレプチンが減ります。このホルモンの変化は、食欲が25%に匹敵します。
さらに、睡眠不足の脳では「合理的な意思決定を司る部分」(前頭前皮質と島皮質)の活動は低下し、その反面、「食べたいという衝動に関する部分」(扁桃体)の活動は活発になってしまうのです。つまり、睡眠不足になると「食べたい」という衝動は強まり、「我慢しよう」というコントロールは弱まるのです。
睡眠にいい生活習慣
良質な眠りを得る方法は、「睡眠に悪い生活習慣」を減らし、「睡眠にいい生活習慣」を増やすことです。そこで睡眠にいい生活習慣を二つご紹介します。
•入浴・・・寝る前90分入浴が推奨されています。寝る90分前には入浴を済ませるのがベストという意味です。深い眠りに入るためには、「深部体温が下がる」ことが必須です。そして、深部体温と皮膚温の温度差が縮まることによって眠気が強まります。
お風呂から上がると、気化熱で深部体温が徐々に低下し、90分経つと深部体温が下がった状態となり、一気に深い睡眠に入り、成長ホルモンもたっぷり分泌される。最高の睡眠が得られるのです。
•運動・・・1週間に150分の運動を行うことにより、睡眠の質が65%改善、日中の眠気が65%減少、日中の疲労感や集中力が45%改善というデータがあります。1日20分程度の運動(速歩き)で睡眠の質が劇的に改善するのです。
ぐっすり眠る、深い睡眠に入り、疲労回復するためには、成長ホルモンの分泌が必須です。「45〜60分以上の中強度の運動を週に2回以上」行うと、成長ホルモンがたっぷり分泌される。(成長ホルモンについては別記事を更新します)